フルーツトマト
トマトの原産地
日本名では、トマト、赤茄子、蕃茄(ばんか)。学名:Solanum lycopersicum(エスクレンタム・リコペルシコン) 学名を直訳すると、”食べられるオオカミの桃”。勇ましい名前です。”リコピン”の名は、この学名に由来しているようです。 原産地はアンデス地方です。栽培の起源はメキシコと言われています。16世紀頃、ヨーロッパに伝播し18世紀になると 食材として広く利用されるようになりました。特にイタリアではなくてはならない存在です。
日本では江戸時代に伝播し、明治時代以降より食用となり、昭和になってから広く利用されるように なりました。
ナス目ナス科ナス属トマト種
トマトはナス属です。言われてみると色以外はナスに似てますね。近い種類には、ピーマン、シシトウ、トウガラシなどです。 1990年頃まで、独自のトマト属とされていましたが、研究の結果、ナス属になりました。
トマトの種類
フルーツトマトというのは、トマトの種類ではなく糖度が高く美味しく栽培したトマトのことです。日本で栽培されている トマトの種類は100種類以上あり、世界では8,000種類以上あると言われています。
国内最大品種・桃太郎
国内では、桃太郎トマトという品種が一番多く栽培されています。桃太郎の品種が誕生したのは1985年で10年以上を かけて開発された果実で、甘くて皮が薄く柔らかいのが特徴です。
桃太郎の中にも種類があります。
- ホーム桃太郎・・・家庭菜園向けに改良された種類で育てやすく、美味しい。
- ハウス桃太郎・・・ハウス栽培向きで、早生で実ぞろいが特によい。
- 桃太郎ファイト・・・高糖度で果実は堅く、味は良く。病気に強く、大小のバラツキが少ない。
- 桃太郎なつみ・・・さっぱりとした酸味が、収穫期の夏に好ましい味。硬い果実で日持ちも良い。
- 桃太郎はるか・・・冬・春栽培用として、比較的栽培上級者向けの桃太郎です。果実は硬めで、肥大力がある。
- 桃太郎8・・・上級者から家庭菜園まで人気の高い夏・秋トマトの代表格。味も良く、日持ちも優れている。
フルーツトマト解明
フルーツトマトの栄養分
通常のトマトの成分の95%は水分です。フルーツトマトは一般のトマトの栽培よりも花から実、そして果実として収穫するまでの 期間が長く、約3か月ぐらいかけます。その間水を少なく与えるように調整します。したがって果実の葉などは枯れています。収穫した"野菜果実"の 実は硬くてずっしり重く、水の中に入れると底に沈みます。普通に栽培したトマトは水に浮きます。
栄養分は、ビタミンA(カロテン)、ビタミンB1、ビタミンB2,ビタミンC、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛とバランスよく含まれています。
また、赤色の色素リコピンと、うまみ成分であるグルタミン酸、イノシン酸も豊富です。リコピンの持つ抗酸化作用は近年、特に注目を 集めています。その作用はベータカロチンの2倍以上、ビタミンEの100倍以上とも言われています。
健康に良いトマトのリコピン
トマトは他の野菜と比べて、リコピンの含有量が飛びぬけて高いのが特徴です。”リコピン”とは、簡単に言うと赤い色素、真っ赤なフルーツトマトには このリコピンが豊富に含まれています。リコピンの効果が注目を浴びはじめた90年代から世界各地で研究が進み、特に”抗酸化作用”が 強いことがわかっています。
抗酸化作用とは、さまざまな生活習慣病となる、活性酸素を消去する働きです。リコピンを摂取することで、糖尿病や 肥満の改善、がん予防効果の可能性があるといわれています。ストレスや偏った食事、過度の飲食などで疲れた 現代人の健康を守る力強い味方です。ピンク系のトマトより、赤系のトマトがよりリコピンを含んでいます。まさに徳谷トマトは赤色が濃いのが特徴です。
リコピン
リコピンは水に溶けず、油に溶ける性質があるのでオリーブ油などと一緒に食べると効率よく体に吸収できます。また、熱にも 強いので、炒めたり煮たりしても成分はほとんど減少しません。赤い色のトマトをオリーブオイルで調理するイタリア料理はリコピンをしっかり 摂取できる調理法ということんあります。生のトマトなら油を含むドレッシングをかけて食べるのも吸収がよくなります。
美味しさ
美味しさはよく、糖度と酸味のバランスといわれますが、それ以外にもうま味成分があります。人が美味しいと感じるの成分には主にグルタミン酸とイノシン酸などですが、日本料理の ”だし”の基本に昆布からのうま味はグルタミン酸で鰹節からはイノシン酸がそのうま味の成分です。フルーツトマトには グルタミン酸が多く含まれています。
フルーツトマトといわれる”果実野菜"は、糖度計で計るとほぼ8度以上あります。食べた時に酸味も強いと感じるトマトは 数日置くと味が濃く感じます。また酸味のあるトマトは日持ちも良く、美味しい味になっていきます。
日本の味噌や醤油にもグルタミン酸は含まれていて、日本料理には欠かせません。 同じようにイタリアなどの南ヨーロッパでは、トマトが日本の醤油や味噌のように美味しい料理の基礎に なり欠かせない食材として使われています。
和風トマト料理
鰯トマト煮
トマトを和食料理にします。昆布のだしに含まれるグルタミン酸のうま味を引き出します。 トマトは青魚のくさみをとり上品な味わいになります。
材料(2~3人前)
- トマト・・・1個
- 鰯小・・・4匹
- ショウガ・・・1片(30g)
- 長ネギ・・・1~2本
- キュウリ・・・1本
- (煮汁)
- 水・・・250cc
- 醤油・・・40cc
- みりん・・・40cc
- 酢・・・40cc
- 砂糖・・・20g
作り方
- トマトは湯むきして4つに切る/ショウガはスライスする/長ねぎは5㎝に切り両側の側面に3ヶ所包丁目を入れる/ キュウリはすりおろし汁気を切る
- 鰯は頭、内臓を取り水洗いする。80度Cの熱湯に通し冷水に取り水分を拭く
- 鍋に鰯、ネギ、ショウガ、トマトを入れ煮汁を加え中火で煮る
- 鍋に火が通ったら火を止め器に盛りおろしキュウリを添える
トマトとニラの玉子焼き
黄、赤、緑と、彩も美しい玉子焼きです。甘酸っぱくニラの風味とよく合った料理です。
冷めても美味しいので、お弁当にも喜ばれます。
材料(2~3人前)
- トマト中・・・1個
- ニラ・・・2本
- 玉子・・・3個
- だし・・・50cc
- 薄口醤油
- コショウ
- サラダ油
作り方
- トマトは湯むきをして種を取り、小角に切るにらは小口切りにする
- 玉子を割りほぐし、だし、淡口醤油、コショウを混ぜ合わせる
- 1にトマトを混ぜ、サラダ油を引いた玉子焼き器で出汁巻のように焼く
洋風トマト料理
チキンとキャベツのトマト煮
チキンと野菜を煮込んだバランスの良い料理。あっさりした味の中にしっかりしたうま味がある。
材料(2~3人)
- トマト・・・3個
- キャベツ・・・1/2個
- 鶏もも肉・・・2枚
- 塩・・・少々
- コショウ・・・少々
- 小麦粉・・・適量
- オリーブ油・・・適量
- ニンニク・・・1かけ
- 水・・・適量
作り方
- トマトはざく切り、キャベツは食べやすい大きさに切る
- 鶏もも肉は一口大に切り塩、コショウし小麦粉をまぶす
- 鍋にオリーブオイルを引きみじん切りにしたニンニクを熱し香が出たら、鶏もも肉を約
- 焼き目がついたらトマト、キャベツを入れ水を加える
- キャベツが軟らかくなるまで弱火で煮る
スライストマト、パルミジャーノ、バジリコのサラダ
フルーツトマトの甘味を生かす、とっておきのトマトサラダ
材料(2人前)
- フルーツトマト・・・2個(約120g)
- パルメザンチーズ・・・適量
- バジル・・・大2枚
- 塩・・・少々
- コショウ・・・少々
- エクストラバージン・オリーブ油・・・少々
作り方
- トマトは縦半分に切り、2mm厚のスライスにする。パルメザンチーズはスライス(ピーラーを使うとよい)、 バジルは細切りにする
- 皿に並べ、塩コショウ、エキストラバージン・オリーブ油をかけて味をつける。パルメザンチーズ・バジルを 散らす。
フレッシュトマトのトマトソーススパゲティ
材料(2人前)
- トマト・・・・6個(約400g)
- ニンニンク・・・・1/2個
- ピュア・オリーブオイル・・・・20cc
- 塩・・・・適量
- スパゲティ・・・・160g
- パジリコ・・・・2枚
- エキストラバージン・オリーブ油・・・・少々
作り方
- トマトは8等分のくし型に切る。ニンニクはみじん切りにする
- フライパンにニンニクとピュア・オリーブ油を入れ、ゆっくりと弱火で香りを出す
- トマトを加え、少し煮崩れる程度に軽くソテーする。軽く塩をする
- ゆで上がったスパゲティを加え、和え、必要なら塩で味を調える。仕上げにバジルをちぎって加え、 エキストラバージン。オリーブ油を入れさっと混ぜる
トマトの歴史
トマトの故郷は、南アメリカのペルー、エクアドルなど中南米のアンデス山脈の西側高原地帯という説がもっとも有力で、 この地域では有史前から栽培されていたとされている。
アンデスは、赤道直下ながら、標高2000~3000mの冷涼な気候で、日射量が多く降雨が少ない。 さんさんと降り注ぐ太陽に、カラリとした気候、昼夜の温度差、そして水はけのよい土壌…。 こうした環境の中で誕生したトマトの原種とは、いったいどんな形や味だったのだろう。
後に、植物学者達の調査で、アンデス高原には8~9種類の野生種トマトが自生していることが判明する。 このいずれもが、現在のミニトマトに近い形で、たくさんの果実をつけたチェリータイプのトマトであった。 そのサイズは非常に小さく、lmあるかないかの、本当に小さな小さな、紫色の果実だった。 この野生種トマトが作られたのが、紀元後1000年ごろとされるが、しかし、当時、 トマトには毒性があって食べられないと考えられていた。しかし、アンデスで育った食べられないこの野生種トマトは、 人間や鳥によってメキシコに運ばれ、運命を変えることになる。
つまり、インディアンの移動とともにメキシコなどの中米に渡ったと考えられる。糖度が高く、熟すと真っ赤になる野生種のトマト、 ピンピネソフォリゥムという品種がある。これを人間や鳥、獣が好んで食べ、タネを排泄し、その種が発芽し、再び実を結ぶ。 そうして少しずつ分布を広げていき、やがてメキシコで食用として栽培されるようになった。この航海を経ていく中で品種が改良されて いったトマトは徐々に赤い果色になっていったという。
トマト(tomato)という呼び名の語源は、メキシコのアステカ帝国の言葉で、″ふくらむ果実"を意味するトマトゥル(tomatol)"からきている。 はるか昔、メキシコ湾をのぞむベラクルス地方のアステカ人がこう呼んだのがはじまり。トマトゥルとは元来、ホオズキを指し、 メキシコではホオズキを煮込んで料理に使っていたことから、形がよく似たトマトも同じ名前で呼ばれた。 ちなみに、当時、アステカの人々はトマトをソースなどにして食べていたとか。
メキショで栽培されたトマトが、いつ、どのようにして海を渡り、今や″本場″と位置づけられるヨーロッパヘ広がったのだろうか? これには1492年のコロンブスによる新大陸発見が大きく関係している。15世紀末、コロンブスがスペインの援助を受け、 カリブ海の西インド諸島を発見すると、16世紀に入って「コンキスタドール(征服者ごと呼ばれるスペインの探検家達が続々 とこの新大陸へ押し寄せてきた。彼らはメキシコのマヤ、アステカ、そしてペルーのインカなどの帝国を次々に滅ぼし、 その戦利品として、金銀財宝や珍しい動植物などをヨーロッパに持ち帰った。そしてトマトも、この中のひとつとして、持ち込まれた。 この時、トマトに出会った最初のヨーロッパ人が、1521年にアステカ文明を征服したエルナン・コルテスという人物一。 スペイン征服軍を率いる、コンキスタドールの代表格である。<参照:トマトの本>
一年中フルーツトマト通販
販売期間別
その年によって異なる場合もありますが、9月から10月の台風シーズンが過ぎてから植えつけに入る、春トマトから シーズンが始まります。
- 夜須町フルーツトマト・・・・12月下旬から5月下旬
- 徳谷トマト・・・・1月下旬から5月下旬
平地で栽培する春トマトは種類が豊富です。夏場のフルーツトマトの種類は少なく”ぴゅあトマト”は、標高800m~1000mの高地でハウス栽培しています。珍しいといえます。