天然うなぎ料理

天然のうなぎをご家庭で料理してみませんか。

有限会社 丸一横山商店

うなぎ食文化

鰻は縄文時代にも食べられていた

うなぎは見た目の姿形と、あきれるほどの生命力から信仰の対象にもされ、古くから知られた栄養価のため、 薬の扱いもされた。関東では河川と湖沼が多く、湿地だらけだったのでそもそもうなぎだらけだった。一勇斎國芳「東京宮戸川図」 浮世絵に、鉤(くぎ)うなぎを掛ける漁の様子が描かれています。宮戸川は両国から浅草にかけての隅田川の古称。 縄文時代の遺跡から鰻の骨が出土していることから、この列島で古代から鰻が食べられていたことは間違いない。 万葉集には鰻食を詠んだ大伴家持の歌がある。「石麻呂に吾もの申す夏痩せに吉しと云うものぞ武奈伎(むなぎ)とり召せ」 古来よりうなぎを食べると元気になるということが判っていたようですね。

うなぎの料理の記述がまとまった形ではじめて登場するのは室町時代の料理を記録した書物で、鰻の料理として 「膾」と「かばやき」がある。それには「かばやき」は丸に切ったままの鰻を火で炙り醤油と酒を付ける、とある。正確な年代は分からないが、江戸時代の中頃までにはうなぎを縦にさばいて脂を効率よく落としながら焼く方法が登場したようだ。鰻の蒲焼の人気が爆発的に高まった。時代は元禄で、舞台は江戸の町だった。

うなぎ料理の「発祥地」?

各地にうなぎのよく獲れた場所があるが、古くから有名だったのが、山城国(京都府)と出雲国(島根県)だ。山城では、宇治川沿いの 巨大湖・巨椋池(現在は埋め立てられて無い)と、その下流で木津川、桂川の3河川が合流する付近の湿地帯で、うなぎがよく獲れた。うなぎの 丸焼きを「宇治丸」、うなぎでごぼうを巻いた料理を「八幡巻き」というが、いずれもこの地域で作られた料理である。

出雲は宍道湖と中海。魚種が豊富でうなぎもよく獲れ、「出雲うなぎ」として大阪へ出荷された。地元ではうなぎを腹から割き地焼きにしていたが、 この調理法がうなぎと一緒に大阪へ伝わり、関西の地焼きが完成されていく。

うなぎの蒲焼は江戸で大人気

うなぎの蒲焼の人気は、醤油の発展と深い関係がある。 うなぎ料理が江戸にもたらされたのは、寛永の頃。醤油は江戸中期までは上方からの高価な「下り醤油」であり、 高級品の醤油が、ウナギに使われたせいであろうか、江戸中期になるまで蒲焼は話題に登らない。醤油が関東で作られる のは、元禄の頃(1688~1708)。蒲焼のタレに醤油とみりんを使い始めたのは、正徳初め(1711)の頃という。その頃から 、蒲焼は江戸の都で人気を集めていく。

うなぎ料理は元々関西から来た料理だけに、関東でも当初はウナギは腹から割いていた。背から割くようになったのは 、寛政年間(1789~1800)頃。江戸料理の発達によって、「切腹」につながる腹割きを嫌い、背から割いて、蒸すようになる。 江戸焼きの技術が確立され、江戸の蒲焼はますます評判を集めていく。

関東と関西のうなぎ料理と嗜好のちがい

うなぎの蒲焼は,関東と関西で調理上大きな違いがある。これが味の違いとして表れてくる。

関東では、背開きにしたうなぎを二つに切り、両面を白焼きにした後、蒸してタレをつけながら焼き上げる。うなぎには 多く脂肪が含まれるのが、蒸すことにより余分な脂肪が抜けてさっぱりした味になる。また、途中で蒸すことで皮も身も柔らかくなり 、とろっとした口あたりに仕上がる。

一方、関西では腹から割き、丸のまま直火で白焼きにしたあと、すぐタレをつけて一気の仕上げる。そのため、関東の蒲焼に くらべて身が堅く、歯応えがしっかりしている。また、蒸さないので、余分の脂肪が抜けにくく、味も濃厚である。

関東は、ご飯と蒲焼を別々にしたものが好まれてきたが、これは蒲焼の仕上がりがソフトなため、箸で簡単に切れるから できる食べ方である。

関西では”まむし”といって、熱いご飯の間に蒲焼を挟む供し方がされてきたが、これは口当たりの堅い蒲焼を 蒸して柔らかくするのに都合のよい方法だったともいえる。

うなぎの成分と栄養

成分と栄養

夏の土用の丑の日にはウナギと食べる・・・この風習の起こりは色々と言われているが、元は 夏痩せに対する栄養的な意味を含めての、宣伝の意味が強かった。事実、栄養的にすぐれた食品である。

うなぎの成分で特徴的なのは、ビタミンAが非常に多いことである。蒲焼100g で5000IUも含まれている。

倦怠感、疲労感のある時はビタミンB1がよいが、これらもうなぎには多い。ビタミンB2、D、Eなども多く含まれ、 このほかカルシウム、鉄、カリウムなどもあり、食欲の落ちたときでも、少量たべるだけで各種の栄養素をバランスよく とることのできる、優れた食品である。

また、うなぎには脂肪が多いが、この脂肪には、血液中のコレステロールや中性脂肪を下げ、心筋梗塞など虚血性 心疾患を予防する働きのあるEPAやDHAが多く含まれている。

うなぎの蒲焼のタレ

ウナギの蒲焼のおいしさは、タレの味で決まる。タレは、単に醤油とみりんを合わせただけでは十分ではない。醤油、みりん、 砂糖なども合わせて煮詰め、ある一定期間寝かせてから使用する。タレは万年地というように、長期間使い続けることが多い。減った分は新しいタレを足しながら、延々と使用 されていく。醤油とみりんを合わせたタレをうなぎにつけて焼くと、アミノカルボニア反応を起こして、 食欲をそそる香ばしい香りと、きれいな褐色の焼き色を持つメラノイジンが生成される。

うなぎのタレの調合

本みりん1.8リットルを煮切り、アルコール分を抜き、白双砂糖3キログラムを煮溶かし、たまり醤油5.8リットルを入れ 1時間半程煮つめます。当店ではこの方法でタレを作成してみました。ドロドロになりいい具合です。やや辛目のタレでした。

みりん
たまり

本味醂を煮切ってアルコール分を飛ばした後、白双砂糖を入れ加熱しました。小さな気泡がたくさんでました。 たまり醤油をいれて煮つめます。

うなぎのタレ 1時間半ほど煮つめて完成しました。ドロっとして良い感じです「川魚料理」という本を参考にしましたが、やや味が濃いと思います。 お好みに合わせてみりんや料理酒を加えると良いでしょう。

天然うなぎの蒲焼料理

当店で通販している冷凍天然うなぎを料理してみました。うなぎ専門店では「串打ち三年、板(割き)五年、火鉢 (焼き)一生」と言われるほど技術の難しさです。いろんな料理本を参考にしましたが、ここでは関東風のうなぎの蒲焼を作ります。

炭
炭火焼き

天然うなぎだけに、炭焼きを用意しました。うちわにセンバ。炭は備長炭ではありませんが、ホームセンター等で販売している炭を用意しました。 ガスで炭に火をつけます。少しぐらい火がついてもすぐ消えるので、長くガスコンロなどで炭に火をつけます。

天然うなぎパック
ウナギ

当ショップで通販している、天然うなぎ冷凍パックを冷蔵庫などで解凍し開封します。 頭を落とし血やぬめりを洗い落とします。

白焼き
蒸す

金串を指した天然ウナギを炭火で軽く白焼きにします。最初は皮を下にして炭火で炙ります。その後、竹串に打ちかえて家庭用蒸し器 で5分ほど蒸しました。金串はうなぎが温いうちに回して抜きます。白焼きにすると串も差しやすくなります。串の指し方は まったく自己流です。生のうなぎに串を通すのはヌルヌルして簡単ではありませんので、串刺しにしました。串をうつことで鰻が丸まったりするのを 抑えます。

タレ付け
タレ焼き

作っておいた蒲焼のタレを3度付け焼きにするという、料理本を参考にしました。

うなぎの蒲焼 専門店のように上手くはできませんが、なんとか出来上がりました。今回使用したうなぎは1尾が80gほどの小さいうなぎです。一人で2尾とも食べれるほどの大きさです。天然のうなぎは歯応えがあります。焼き立ての天然うなぎはなんとも美味で味もあっさりしていてたくさん食べれます。タレの味を薄くして天然うなぎの美味しさが引き立つように しても良いかと思います。次回はもっと大きなウナギを焼いてみます。ご家庭でいかがでしょうか?

家庭用ガスコンロで焼く、天然うなぎの蒲焼

ある日、天然うなぎの蒲焼を料理しようと炭で火を起こしましたが風があり、真上に熱が上がらないので 家庭用のガスで料理しましたところ、外側がカリっとして中がふわっとした触感の蒲焼に仕上がりました。高知県内の有名料理店を 上回る味と家族には大好評でしたのでその料理の仕方を説明します。ガスを使用すると一般家庭でも簡単にしかも本格的な 蒲焼料理が出来上がることが確認できました。

  • 当店で販売している仁淀川の天然うなぎを冷蔵庫などで解凍しておきます。袋から出し頭を落として水でよく洗います。
  • 蒲焼にするサイズに切り、金串を一切れに2本づつ刺します。串は身に回しながら刺し通します。手を突かないように注意してください。
  • まず金串2本を手で持ち、ガスコンロの火で両面を軽く炙ります。炙るときは皮側を先に炙ります。
  • 軽く炙ったうなぎを串から抜き、蒸し器に入れ蒸します。この時の蒸し時間で中の身が柔らかさが決まります。 この日は1尾で600gほどの天然うなぎでしたので15分間蒸しました。大きさにもよりますが5分から12分ぐらいでも 良いかもしれません。蒸す前に表面を焼くのはこの時に旨みを逃がさないためです。
  • 蒸しあがったうなぎをガスの両面焼きのグリルの中で、焦げ目が付くぐらいに焼きます。タレはこの時にはつけません。グリルの網にくっつかないように 先にグリルを焼いておきます。グリルの中では細かい目の網を敷きました。
  • 出来上がったタレなしうなぎは、食べる前にタレをつけて両面ガスグリルで焼いて出来上がりです。

ガスで調理すると簡単で、時間もかからず料理できます。それでも1時間以上かかっていました。食べるのは家族3人であっという間です。 3人で600gのうなぎでも焼いたり蒸したりすると小さくなるので、やや足りないくらいです。きっとご満足いただけます。タレは上記の方法で作成した タレを1か月以上ねかしていました。甘くもなく間違いなく良い味になっていました。次回料理する時は写真を撮って載せます。

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